Lockheed F-117A "Nighthawk"
Flying Display
THE 2007 F-117A STEALTH DEMONSTRATION TEAM
すでに退役が開始され、今回の RIATが最後の見納めになると思われる
F-117A ナイトホーク。ニューメキシコ州ホロマン空軍基地の
49thFW / 8FS所属機 ( 84-0825) が、デモフライトを実施した。
F-117の多面体設計は、レーダーの反射方向を局限しており、
機体表層には電波吸収材RAMで塗装コーティングを実施。
RAM (Radar Absorbent Material/ レーダー波吸収材料)
離陸するF-117。外観的特徴は、コクピットを頂点として後ろに行く
ほど薄くなる胴体。約70度の強い後退角度を持つV型の尾翼。
機首先端からのびた主翼は72.5度という大きな前縁後退角を持ち、
電波の反射角度を限定しステルス性能に考慮したもの。
F-117の推力・重量比が0.4程度で、ほぼ1.0前後の最新鋭戦闘機
には遠くおよばない。最大速度もマッハ0.9程度でジェット旅客機並み。
F-117のアプローチスピードは、AOA 9.5度で287Km/hとされており、
現代の戦闘機の中でも速い方に属する。エアーブレーキは装備無し。
AOA (Angle of Attack / 迎え角)
キャノピーは5枚の平面ガラス(ポリカーボネイド製)で構成され、ゴール
ドフィルムによるラミネート加工を施して、レーダー反射を低減している。
F-117 は型式名の上では「戦闘機」だが、空対空戦闘に不可欠な、
火器管制レーダーや固定武装も装備されていない。その代わり、
胴体下部に大型ウェポンベイ(爆弾庫)を備え、2000ポンド級
(約907Kg)爆弾2発を搭載できるので、ステルス攻撃機と言える。
F-117 はアフターバーナーを装備していない理由は、それ自体が、
大きな赤外線源となり、ステルス性を損なうために装備出来なかった。
エンジン排気口も細長いスロット状として冷却気を混入し拡散させる
事によって排気温度の低下を図る工夫をしている。
デモフライトに向けて離陸するF-117A ナイトホーク。
前脚・主脚共に前方引き込み式のオーソドックスなもの。
空力的には理想からほどと遠い形態なので旋回時のエナルギー損失が
大きく急速に速度低下を招く、アフターバーナーを装備していないので、
その後の加速もままならず、空対空戦闘は事実上無理。
ステルス効果のため機体下面には突起物は一切ない。
ドラッグシュートを曳いてフェアフォードのランウェイに滑り込む。
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